このブログのサブタイトルは「時々、コーヒー」と言うことで今回は靴磨きに合うコーヒーについて。
なぜ靴磨き用品作ってたやつがいきなりコーヒーなのか?靴磨きに合うコーヒーってなに?
ひっそりと自分語りも交えて記録していきたいと思います。Gradation Coffee – Sunshine – はECサイト(こちら)にて絶賛発売中!忘れない内に宣伝しておきます!
自家製コーヒーゼリーもオススメです。今回はホットコーヒー回なのでレシピはまた後日
レザーケアメーカーが作ったオリジナルコーヒー
きっかけ
靴磨き選手権大会2024 グッズ開発と同時期にLiricheオリジナルコーヒーの開発を進めていました。個人の趣味が高じたと言うやつです。
実はその昔、靴磨き関連の仕事を始める前に5年ほど「白鯨」にインスパイアされた某カフェチェーンで働いていまして、いつかオリジナルブレンド作りたいなと思っていたのです。そう、あの緑のエプロンを着けていたのです。かなりの人見知りなのですが、エプロンを着けたらあなたは女優さんよ!(?)と当時の先輩に日々呪文をかけられていたのを思い出します。
今もあるかはわかりませんが、ユーコンブレンドやカフェベロナ、グアテマラカシシエロあたりを好んでいました。ダークロースト+ちょっぴりフルーティ、スイートなテイストというかそんな味わいが好きで、自分で作るならこんな感じ!と頭の片隅でぼんやり考えていました。
2019年から本格的に靴磨き関連の仕事を始めた時も、ほぼ毎日コーヒーを飲んでいる中で、「靴磨きに合うコーヒー」を作りたいと思い始め、それから苦節5年、素敵なご縁がきっかけでやっとオリジナルブレンドが完成するわけです。
靴磨きに合うコーヒーとは?
靴磨布やシューズバッグを開発するにあたり靴磨きに取り組んでみたところ素人ながら気づくところがありました。
① しっかりやろうとすると時間と根気、集中力が必要。
プロの方々は手際よく次々と工程を進めていきます。対して、素人にちょっとだけ毛が生えた程度の私の場合、1つ1つ確認しながら進めるため大体小一時間程度かかってしまいます。この間没入して磨きを進めるのですが、喉が乾くわ目がチカチカするわで、中々根気の要る作業だと感じます。靴磨きのお供として、集中力を高める香りの良い程よい苦味のあるコーヒーがあると良いなと。
② 磨き終わった後、達成感を味わうご褒美があった方がモチベーションが高まる。
磨き終わりの一呼吸置いた後、自分が磨いた靴を眺めて過ごす“心地良い時間”が訪れます。頑張って磨くと愛着が湧きますし、もうちょっとうまくできたかな、という改善点も見つかってきます。ピカピカにした泥団子を眺めるふとした時間に近いものがあります(伝わりづらいかも)。
そこまで長くもなく短くもない、一息つくひと時。そんな時を過ごした後に“グッと飲み干す”、仕事終わりのコーヒーは抜群に良いなと。
などと考えていたこともあり、靴磨き前と後で気持ちよく飲めるコーヒーを作ってみようと思い立ちました。普通に作っても面白くないので、淹れたてと少し時間が経った後で味わいや表情が変わるようなブレンド = グラデーションを楽しめるコーヒーにしたいと思って「Gradation Coffee」と名付けました。鏡面磨きに施される”グラデーション”に合わせた意図もあります。
オリジナルブレンドの特徴
- 【生産国】グアテマラ、コスタリカ
- 【味わい】苦味 ★★★☆☆ 酸味 ★★☆☆☆ 甘味 ★★★★☆
- 【焙煎度】甘みとコクのフルシティロースト (中深煎り)
よくあるコーヒーの特徴ごとにまとめつつ、特にこだわった点を詳しく解説してみます。
特にこだわったポイント:時の経過と共に変わっていく味わいのバランス
特に浅煎りのコーヒーは時の経過と共に酸っぱい味わいになりがちです。個人的な好みもありますが、私はあまり酸味の強いコーヒーが得意ではなく、どちらかと言えば時間経過と共に落ち着いた味わいになっていくほうが好みだったりします。
靴にグラデーションをつけてゆくように、溌剌とした第一印象から徐々にマイルドになっていくような味わいの変化を目指しました。
グアテマラ産コーヒーはココアやチョコレートに似た甘味を感じさせる特徴があり、口に含んだ瞬間の味わいを印象付けるのにぴったりです。反面、行き過ぎると若干粉っぽい後味になり乾いた印象になります。一方、コスタリカ産コーヒーはみずみずしいフレッシュな果実感が特徴ですが、酸味が豊かで行きすぎると酸っぱい印象を与えがちです。
この2つの産地の「良いとこ取り」をして生まれたのが「Gradation Coffee -Sunshine-」です。
一口目はグアテマラ産特有のダークチョコレートのようなコクのある甘味を与えながら、そこからほのかに感じるブラッドオレンジに似たフルーティな潤いと香りが伝わるように、比率や焙煎の試行を積み重ねました。
コーヒーを飲み慣れていない方にはちょっとだけ甘苦感が強いかもしれませんが、靴磨きに必要な集中力を与え、磨き終わりに飲み干したくなる一杯に仕上がっていると自負しています。
特にこわったポイント:デザートとの相性の良さ
味わいのバランスの他、コーヒー自体の香りや余韻も自信を持ってお届けしますが、ここでもう一つ!強調したいのは、“デザートとのペアリング” です!!
靴磨きが終わった時、実は大分疲れています(個人の感想)。達成感はあるものの頭も目も体も疲れています。ということは甘いものが欲しくなるのは必定というものです。そんな時に例えば酸味の強いコーヒーが出てきたらどうでしょう?生クリームたっぷりのシュークリームやあんこを胃袋に流し込まんとしている時に、酸っぱい液体を口に含んでいる場合ではないでしょう!
というわけで(?)、今回のグラデーションコーヒー・サンシャインはスイーツにぴったり合うコクと味わいに仕上げています。ここは譲れませんでした。
とはいえ、すべてのスイーツに100%マッチするコーヒーは存在しないので、私的オススメのスイーツを紹介します。それは、「バタークッキー、羊羹・和菓子、クリームたっぷり系のシュークリーム」です。もし、近くに適したスイーツが無ければ、今すぐにローソンに駆け込んでどらもっち(あんこ&ホイップ)を買ってきてください!もう最強なので。
参照元:ローソン どらもっち(あんこ&ホイップ)。最強 of 最強
コーヒーの紹介以上に熱が入りましたが、デザートとのペアリングを探求することは非常に重要だと言うことをお伝えしたいです。どんなに素晴らしいコーヒーでも一生同じものを飲み続けることは中々に困難です。それは個人の味覚や趣向が年齢や環境と共に変わっていくからです。
そんな時に、多様性・選択肢を与えてくれるのは、実はデザートとのペアリングなのです。気に入ったコーヒーの新しい表情を見つけたり、自分自身の好みを知ると言うことはとても素晴らしいことだと思うので、ぜひ目くるめくコーヒーとデザートの旅をお楽しみいただければと思います。
オススメの淹れ方
ここでは基本的なハンドドリップでのホットコーヒーの淹れ方についてご紹介します。一般的に良いとされる手順とほぼ同様なので、よくコーヒーを飲まれる方はおさらいとして、あまり飲まれない方はコーヒーを淹れる際のガイドとしてお使いください。
準備。まずは形から入る
- 【コーヒー豆】16g(1カップ分)
- 【お湯】250ml(88-90℃)
- 【抽出時間】2分30秒前後
ペーパーフィルターやドリッパーなどの器具をセットし上記の割合でコーヒー豆とお湯を準備します。
ケトルは先が細いものの方が分量を調節しながら上手に淹れられるので、細い注ぎ口のものを選んだ方がいいかなと思います。尚、我が家では格好つけてスケールの上でコーヒーを淹れたりしますが必須ではないのでこの辺は適当でも大丈夫です。
少量のお湯を注ぐ
「複数回に分けた方が良い」「まずはよく蒸らしてから」「途切れさせないように常に注ぐ」など、注ぎ方には諸説あり、味わいや香り、風味が変わると言われています(ここにも時代の変化を感じるわけで、昔と違って器具や入れ方が多様になったなと思う次第)。
ですが、私はある程度大雑把に「3〜4回に分けて注ぐ」程度で良いかなと思っています。初めはあまり小難しく考えずにコーヒーを楽しんで淹れることが重要だと思っていて、そこから自分なりのいい塩梅を見つけていけば良いのかなと、そう思うわけです。
ですので、一旦ここでは4回に分けて淹れる方法をご紹介します。まずはほんのり全体に行き渡るように50ml程度(1/5くらい)を目安にお湯を注いでみます。俗に言うコーヒー豆を”蒸らす”というやつです。
コーヒー豆は焙煎すると炭酸ガスを含むようになっていて、お湯で蒸らすことで炭酸ガスが放出するようになります。炭酸ガスを放出しておくことで、コーヒー豆がお湯と接する表面積が大きくなり、成分が抽出しやすくなるというわけです(受け売りです)。
というわけでざっくりとお湯を注いだら30秒を目安に放置します。厳密でなくても大丈夫、なんとなくの体内時計で30秒経ったら再度お湯を注いで行きましょう。適当に言っているわけではなく、“作法は二の次、自分なりに色々やってみると面白いですよ!” ということが伝えたいです。
残りのお湯3回にわけて注いで完成!
残りのお湯をだいたいでいいので3回に分けて注いで完成です。それだけ!簡単!注ぐタイミングはお湯が半分くらい下に落ちたら次を注ぐ、くらいで全然大丈夫。
最後に、完全にお湯が落ちきる前にドリッパーを外したほうがアクが落ちず雑味が少なく仕上がります。これまた諸説ありますが、凝りだしたら無限に先人の知恵が見つかるので、突き詰めたい方は存分に突き詰めてみてください。結構面白いですよ。
ブラックで楽しむもよし、ミルクやお砂糖を入れても良し、なんでもアリです。靴磨きと同じく、全く同じ仕上がりのものはありません。自分なりに良いと思ったグラデーションで仕上げることの方がよほど大事だと思うので、コーヒーもこれまた自由で良いと思うのです。自由度の高いコーヒー豆に仕上げているので、どんなアレンジも楽しめると思います!
コーヒーにはこだわりが強く、若干高弁を垂れてしまった感がありますが。。コーヒーの楽しさは伝わったかなと勝手に思ってます。
Sunshine Brendと対になるMoonlight Brendも密かに考案中なので、Sunshineのアレンジを楽しみながらお待ちいただけると幸いです。