靴磨き選手権大会2024 福岡予選が8/17, 18に行われました。
この記事では、大会に行かれた方にも行けなかった方にも会場の熱気が伝わるようなレポートを勝手にお届けしたいと思います!
次の東京予選、大阪予選に向けて大会の見方が広がる一助になればと思っています!!
大会のおさらい
靴磨き選手権大会2024は、福岡と東京で開催される予選会を勝ち抜いた精鋭中の精鋭12人が大阪で行われる決勝戦で火花を散らす、トーナメント方式で行われます。福岡予選は参加者が32名から6名に絞られる狭き第一関門なのです。
32名の参加者は初日(8/17)で12名まで選出され2日目(8/18)の決戦で最終的に6名にまで絞られます。詳細な採点方式は過去の記事(こちら)や大会公式HP(こちら)に任せつつ、この記事では公式Youtubeのライブ動画と独自に現地取材した内容を織り交ぜてお届けしたいと思います。
尚、主観的な個人の感想も含まれますのでその点はあらかじめご容赦ください。
大会初日(8/17)の結果、見どころ
毎年言っていて食傷気味、某なんとかヌーボーでは無いのですが、年々過去最高レベルを更新していると思います!
個人的な見解ですが、昨年までは純粋な技術レベルの底上げと道具の進化が成長を後押ししたと感じる一方、今年のキーワードは「多様性」な気がしています。磨きのスタイルや職人の方々のバックグラウンド、魅せ方(ファッション・パフォーマンス)まで、直線的な進化というより多面的な進化が見て取れた印象が強いです。
極端なことを言えば、「去年までと同じパフォーマンスを出していても勝てない大会」になっているのではないかなと。
あくまで個人の感想ですが、こういった点を踏まえ独自の目線で見どころの紹介をしたいと思います!
初日の結果:2回戦進出者
以下の12名の方々が2回戦に進出しました(公式Youtubeより拝借しているので気になる方はフルでご覧ください)。
進出者全員をご紹介するのはスキル的にも難しいのでこの記事では3位までを紹介するに留めようと思います。
まず、PLSBの1-2フィニッシュ!お二人とも異なるスタイル、アプローチで磨きに取り組んでいたにも関わらず総合力で圧倒した感がありました。特に、上田さんの「早く磨いてしまった」的なコメントが印象的でした。イメージと少しギャップがある中でこの結果。余力を感じさせる凄みを感じます。
ここでは、ライブ配信では見切れていた滅多に見られない(らしい)お二人のハイタッチシーンを見どころの一つとしてお送りします!
選手同士称え合う姿は、結果如何に関わらず素晴らしいものがありました。会場でしか見られない姿、というのも現地観覧の楽しみの一つですね。
上田さんの足元にも注目
3位は前回優勝者の新井田隆さん!「前回大会の決勝戦よりも緊張した」と仰られていましたね。一方で、プレッシャーのかかる中で安定した品質を提供し続けるスキルの高さを見せつける結果になったかとも思います。
技術もさることながらプレゼンテーションでの説明の「巧さ」は特に注目です。今回磨いた靴の特徴と意識して磨いたポイントを靴を持ちながら、角度を変えて説明されていてライブ動画でもわかりやすさが伝わっていたと思います。ちなみに、グループDで勝ちあがられた上田さん、新井田さん、山縣さんは同じように靴を手に持って動かしながら説明なさっていたので、アピールする上で重要なポイントかなと勝手に思っています。
初日の見どころ
今回惜しくも2回選に進出できなかった選手の中にも個性的な磨きで爪痕を残していった方々がいらっしゃいます。全員を取り上げたい気持ちは山々なのですが、完全主観で選出させていただきたいと思います(敬称略でお送りします)。
個性的なスタイルの選手達1:No. 16 吉本陽音
福岡予選で最もインパクトある磨きといえば吉本さんでしょう!
他の選手がスタンディングスタイルなのに対して原点回帰とも言うべきシッティングスタイル。どういう形式で磨くのかによってテクニカルポイントに影響はありませんが、その出で立ちも相まって“醸し出される雰囲気”があります。また、椅子は磨きグッズが収納できる機能性も備えていて訪問磨き中心で活動されてきた経歴との一貫性があり、なんというか「説得力がある磨き」を感じました。
このスタイルに至ったストーリーについても公式動画で語られているので必見です!
個性的なスタイルの選手達2:No. 56 安部春輝
靴磨き界のバチェラーと言えばこの人!名誉なのかどうかよくわからない呼称とは裏腹に、安定した磨きの品質とお客様とのコミュニケーションを大切にする姿勢が支持され広島と福岡、2拠点で活躍する磨き屋さんです。
グループA、初戦を引いたくじ運の無さと胸元の赤いバラが品切れだった天運の無さが組み合わさった結果、惜しくも2回選進出となりませんでした。
表に出さない影の努力を続けているサービス精神旺盛なナイスガイ。優勝とバチェラー卒業が待たれます。
会場限定グッズ
実際に見て触って吟味した上で購入を検討できるところもオンサイトならではの良さかなと思います。スナップショットをいくつか並べてみます。触った時の質感って大事だと思うので足を運んで選ぶというのも一考の余地あり!です!!
左:会場限定販売のレザーマット。デスクマットサイズとマウスパッドサイズの2種類。栃木レザー、新喜皮革など一流の革を贅沢に作った特別仕様。磨き用マットはありそうでなかったアイテム。右:ブラシや磨き布、シューズバッグなど大会限定商品をはじめ展開(念のためECへのリンクもつけておきます。ご興味あれば是非)
大会2日目(8/18)の結果、見どころ
初日の激戦を勝ち抜いた12名によって争われる2日目。グループA、Bの2つに分かれ、それぞれのグループで上位3名、合計6名がファイナル進出となります。6名中3名。最も過酷な1/2が行われます。初日同様、結果から見ていきます。
2日目の結果:ファイナル進出者
グループAからは史上初のV2を狙う新井田隆さん、去年1回戦敗退のリベンジを果たしたラーメン屋 兼 靴磨き職人の松田慎也さん、リキッドワックスやアトマイザー、カラーワックスなどツールワークが光った鈴木友生翔さんの3名。テクニカルな観点は奥が深すぎるのでそれ以外の点で勝手に考察、面白いと感じたポイントを書いてみます。
まず印象的だったのは、決勝進出者の中でスーツスタイルが新井田さんだけだったところです。テクニカルポイントが拮抗している中で自分のスタイルを差別化、追求することで、より際立ったのではないかなと感じます。この王道 vs. 新風の構図も決勝の注目ポイントかもしれません。
個別には松田さんの2日連続のラーメン屋スタイルと「湯切り演出」はパフォーマンスとして興味深かったです。ただ、決勝で使うと逆に減点されそうなので、この上がりきったハードルをどう超えてくるか?は見ものだと思います。
鈴木さんは磨いている卓上の綺麗さが目立っていたように思います。背の高さが低めのツールを利用されていて、磨いている姿がすっきりと見えました。ここに加点があるかどうかはわかりませんが、使うモノにこだわってる感に溢れています。あ、磨きのマットを選手権限定レザーマットにしていただけるとより整って見えると思いますよ!超オススメです!!(押し売りでは無いです)
グループBからは初日2位で安定した強さを見せた上田那央樹さん、実家の鶏肉店と磨き職人の二刀流、有薗真也さん、ファイナルの常連Big Kansya!!の西岡ぺこさんの3名。このグループも超激戦だったような印象を受けましたが、「個性を押し付けきった」選手が勝っていたのかなと想像しました。上田さんの独特なクリーム使い、有薗さんのブルーの入れ様、西岡さんのリズミカルな磨きとグラデーションの付け方、などなど見所が多かったかなと思います。ど素人感想で恐縮ですが。
2日目の見どころ
大会後のシューシャインサービスなどお伝えしたいことは多くあるのですが、いかんせん写真を撮り忘れたので割愛します(安定)。
その代わり、大打ち上げ会の写真は食べ物メインでいくつか撮っていたのでこちらをまとめて。
大会恒例、関係者限定参加の打ち上げ会は毎回非常に豪華な内容で満足感高いのですが、今回は過去最高に凄かったです。
天井の高い素敵な会場に加え、大会限定スイーツをご用意いただく粋な計らい。審査員や関係者、遠方で中々会うことができない選手の方々など、たくさんのクロストークが発生します。これがダイバーシティというやつかもしれません(カオスとも言う)。
ES席購入者限定特典にはなりますが、価値ある会になっていると思っています。東京、大阪大会後も実施予定なのでまだの方は是非ご検討くだされば。ES席は大阪会場初日以外は完売しているのでご希望の方はぜひこちらからどうぞ。
会場の様子+特別なスイーツの数々。見た目も味も素晴らしく
素人目線、個人的な主観が多分に含まれている点はご容赦いただくとして、大会の臨場感が少しでも伝われば嬉しいです!
大会は札幌を挟み東京、大阪と佳境に突入していくのでぜひぜひ注目していただければと思います。
KIEKO